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ホンダhss1170i(J1)の大きさや除雪量を図解で解説!操作方法動画や点検方法、トラブルシューティングも


取り扱いマニュアルに書かれている内容がよくわからない!読むのが面倒!


という方にホンダhss1170iが最も活躍する除雪場所は?どれだけの雪を除雪できるの?など初心者にはわからないことだらけです。このページではマニュアルに書かれていることをもっと分かりやすく解説いたします。




    ホンダhss1170iのカンタン図解説明


    マニュアルには全長1.51m、高さ1.15m、幅72.5cm、重量163kgって書いてあるけど、実際の大きさってどのくらいなの?


    数字で書かれても大きさって想像しにくいですよね。写真から大体想像できるけど163kgもあってキャタピラがついたハイブリッド式の除雪機って聞くとものすごく大きな機械をイメージしちゃいます。


    hss1170iを買ったはいいけど、置き場所も心配だし、操作性や除雪パワーが分からないと不安になります。ということで大まかな比較図を作ってみました。


    長さは大体、大人用自転車の24〜26インチサイズよりも少し小さいくらいで、高さはほぼ同じ。幅は自転車2台分あれば十分です。



    hss1170iの大きさ比較図




    「1時間の最大除雪量60t」って書いていますが、どのくらいの量の雪を除雪できるの?


    1時間の作業で60t除雪できると言われても、どのくらいの雪を除雪できるのかイメージ出来ませんよね。「トラック何台分」とか身近な比較対象があれば何となく想像が出来ますし、具体的に想像できなくても「たくさん除雪できる」という事はわかります。


    ということで、60tってどのくらいの量なのか25mプールと10tトラックを使って図解したいと思います。ざっくりと1時間の作業でこのくらいの量の雪を除雪できるんだと感じてもらえると思います。



    1時間あたりの除雪量60tのイメージ図



    左の図は深さ1m、幅12mの25mプールに入る水量を基準に除雪量を表しています。25mプール約2つ分の水量を除雪できます。右の図は単純に60tを10で割って10tトラック何台分という計算で表しています。10tトラックの大きさも図にしました。1時間の除雪作業で最大10tトラック6台分の雪を除雪できるなんてスゴイ除雪能力です。


    最大投雪飛距離17mのイメージ図



    ホンダHSS1170iはブロアから雪を噴射して除雪するタイプです。1時間あたりの最大除雪量は60t、最大投雪距離が17mです。図解上、一般的なマンションの5階〜6階相当の飛距離が出ますので、除雪作業の際には事故やトラブルが起きないように周りに注意してください。


    ホンダHSS1170iは積雪量が多い豪雪地帯の一般家庭やコンビニ、駐車場、農家など広い敷地を除雪するのに向いています。町内会や自治体、学校(PTA)などで補助金制度を使って購入するのもおすすめです。山形や青森、北海道など豪雪地帯に入る積雪量の多い都道府県なら個人でも補助金制度が使える自治体もあります。







    基本情報

    ホンダhss1170i取扱説明書から抜粋 以下の情報は重要な部分だけを抜粋しています。

    • 除雪幅:71cm
    • 除雪高:51cm
    • 最大投雪距離:17m
    • 投雪口回転角度:204°
    • 投雪口上下角度:97°
    • 駆動方式:ハイブリッド式
    • 走行:自走式
    • 走行変速方式:電動2モーター式無段変速
    • 出力:10.3馬力
    • 始動方法:セルフスターター(電動)
    • オイル容量:1.1L(SAE 5W-30)
    • 燃料タンク容量:6.4L
    • 使用燃料:自動車用無鉛ガソリン
    • 点火プラグ:BPR5ES(NGK)
    • 全長:1.51m
    • 全幅:72.5cm
    • 全高:1.15m
    • 機体重量:163kg

    ホンダ小型ハイブリッド除雪機hss1170i操作方法動画

    プラウホンダウォークさんのyoutube動画から引用


    メンテナンス方法動画

    プラウホンダウォークさんのyoutube動画から引用



    エンジン始動前の点検

    1. 燃料計の針が「F(満)」の位置にあるか確認し、少ない場合は補給してください
    2. エンジンオイルの点検はトップカバーを外し、オイルキャップを外します。オイルゲージの上限までオイルがあるか確認し、少ない場合は補給してください
    3. エンジンオイルの汚れがひどい場合は交換してください
    4. バッテリーの点検はシューターを前に動かしてトップカバーを外し、各槽のバッテリーの液面が「UPPER LEVEL」まであるか確認し、バッテリー液が少ない時は補充してください
    5. バッテリーの点検は端子のゆるみ、キャップの通気孔の詰まりなども点検してください
    6. オーガ、ブロアロックボルトのゆるみ、折れがないか確認する(ロックボルトは、石の噛み込みなど異常な負荷が掛かった時に、本体の損傷を防ぐために折れる仕組みになっています)
    7. ソリ、スクレーパーの点検
    8. 各ケーブルやボルトが緩んでないか(ゆるみやガタがないか)
    9. 各スイッチ、レバーが正常に動作するか

    作業前・除雪時期初め、終わりの点検

    点検項目 作業前点検 除雪時期初め 除雪時期終わり
    エンジンオイル 点検・補給 交換 -
    オーガトランスミッションオイル - 点検・補給 -
    オーガベベルギヤオイル - 点検・補給 -
    走行MIオイル 4年毎に点検・補給する
    バッテリー液 液量 比重点検 -
    点火プラグ 交換(4年毎) 点検・調整 -
    ソリ・スクレーパー 点検・調整 点検・調整 -
    クローラー - 点検・調整 -
    オーガ、ブロアロックボルト 点検 - -
    各部締め付け部 点検 - -
    燃料ろ過カップ - - 清掃
    燃料タンク、キャブレターの燃料 - - 燃料を抜く
    ウォーターセパレーター - 点検・清掃 -
    格納時各部防錆、塗油 - - 塗油
    シューターガイドケーブル - 点検・調整 -
    スロットルケーブル - 点検・調整 -
    オーガハウジング調整レバー - 動作・点検・調整 -
    オーガピン - 交換 -
    ブロアピン - 交換 -
    ACGベルト - 点検・調整 -
    各種スイッチの動作 点検 - -
    アイドル回転 - 点検・調整 -
    吸入・排気弁隙間 - 点検・調整 -
    燃料室 250時間運転毎に清掃する
    燃料タンク 4年毎に清掃する
    燃料チューブ 4年毎に交換する

    ACGベルトに亀裂、異常摩耗が入っていないことを確認してください。異常がある場合は交換してください。交換は専門知識のあるサービス店で行ってください。


    トラブルシューティング


    エンジンがかからない

    現象 原因 解決方法

    キャブレターに燃料がこない

    燃料タンクにガソリンがない

    ガソリンを補給する

    燃料コックが開いていない

    燃料コックレバーを「出」の位置にする

    燃料フィルターの詰まり

    販売店に連絡してください

    燃料配管の凍結

    キャブレターに燃料はくる

    キャブレターのオーバーフロー

    キャブレターの詰まり

    エンジンオイルが少ない

    エンジンオイルがゲージ上限までない

    エンジンオイルを補給する

    スターターが回らない

    バッテリーがあがっている

    バッテリーの充電または交換

    ヒューズが切れている

    ヒューズの点検、交換

    バッテリー端子が外れている

    バッテリーの点検

    始動時に走行クラッチレバーまたは除雪クラッチボタンを押している

    安全のため、これらの操作をしている時はスターターが回りません

    スターターは回る

    点火プラグの汚れ

    点火プラグの点検、調整、または販売店に連絡してください

    点火プラグキャップの取り付け不良

    点火プラグキャップを確実に取り付ける

    点火プラグの破損

    点火プラグの交換


    うまく走行できない

    現象 原因 解決方法

    除雪作業中に進みにくい

    オーガロックボルトが折れている

    オーガロックボルトの点検、交換

    オーガハウジングの高さが適正ではない

    オーガハウジングの高さを調節する

    除雪部に雪が付着、堆積(たいせき)している

    オーガハウジング下部に堆積(たいせき)した雪の除去

    うまく後進できない

    オーガハウジングの高さが「高」になっていない

    オーガハウジングの高を調節する

    走行クラッチレバーを握っても走行しない

    クローラーのホイールピンが外れている

    販売店に連絡してください

    警告灯(赤)が点滅、または点灯している

    警告灯(赤)の点滅回数を確認して販売店に連絡してください

    旋回しない、または旋回しにくい

    雪が多く積もっている所で除雪部が雪に埋まっている

    速度を低速にして旋回ボタンを押しながらハンドルに力を加えて向きを変えてください

    旋回ボタンを押したとき、旋回したい方向のクローラーが減速または停止していない

    スイッチ、リレー、走行モーターなどの故障が考えられますので販売店に連絡してください

    バッテリー走行ができない

    バッテリー走行モードになっていない

    左右の旋回ボタンを同時に約3秒間押し続ける操作が必要です

    バッテリー走行終了後、5秒経過し、表示灯(緑)と警告灯(赤)が点灯している

    エンジンスイッチを「停止」位置に戻し、もう一度操作を行ってください

    バッテリーがあがっている

    バッテリーの充電、交換

    販売店に連絡する際は必ず警告灯(赤)の点滅回数を伝えてください。警告灯点滅表はこちら


    柔らかい雪が多く積もっている状態では本体が雪に乗り上げて走行しにくい場合があります。クローラー(キャタピラ)がスリップしないように低速で走行するか、ハンドルを押したり引っ張ったりしながら乗り上げている雪から脱出してください。

    エンジンスイッチを「運転」の位置で放置するとバッテリーが消耗してエンジンが始動できなくなります。バッテリー走行終了後は、必ずエンジンスイッチを「停止」の位置にしてください。




    うまく除雪作業ができない

    現象 原因 解決方法

    シューターから雪が出ない

    シューターに雪が詰まっている

    雪かき棒で詰まった雪を除去する

    ブロアが回転しない

    ブロアロックボルトが折損している

    ブロアロックボルトの点検、交換

    ブロアピンが折損している

    販売店に連絡してください

    除雪クラッチボタンを押してもブロアが回転しない

    スイッチ、電磁クラッチなどの故障が考えられますので、販売店に連絡してください

    オーガが回転しない

    オーガロックボルトが折損している

    オーガロックボルトの点検、交換

    オーガピンが折損している

    販売店に連絡してください

    除雪クラッチボタンを押してもオーガが回転しない

    スイッチ、電磁クラッチなどの故障が考えられますので販売店に連絡してください

    雪の飛びが悪い

    エンジンの負荷が高い

    走行速度を下げる

    ブロアが変形している

    ブロアを交換する

    ブロアロックボルトが折損している

    ブロアロックボルトの点検、交換

    オーガロックボルトが折損している

    オーガロックボルトの点検、交換

    ブロアピンが折損している

    販売店に連絡してください

    オーガピンが折損している

    硬い雪に乗り上げて食い込まない。オーガハウジングから雪が溢れてしまう

    オーガの高さが適正ではない

    オーガハウジングの調整

    オーガロックボルトが折損している

    オーガロックボルトの点検、交換

    オーガが摩耗している

    オーガの交換

    ブロアロックボルトが折損している

    ブロアロックボルトの点検、交換

    ソリ、スクレーパーの高さが適正ではない

    ソリ、スクレーパーの調整

    オーガが路面に当たる

    オーガの高さが適正ではない

    オーガハウジングの高さ調節

    ソリ、スクレーパーの高さが適切ではない

    ソリ、スクレーパーの調節

    除雪部から異音がする

    オーガ、ブロアの羽根、シャフトなどが変形している

    販売店に連絡してください

    投雪方向が調節できない

    ヒューズが切れている

    ヒューズの点検、交換

    モーターの過熱(ブレーカー作動)

    投雪方向調整スイッチを押したままにせず、しばらく待つ

    モーターまたはリレースイッチの故障

    販売店に連絡してください

    警告灯(赤)が点滅または点灯する

    電装システムの異常、または故障

    警告灯(赤)の点滅回数を確認して販売店に連絡してください

    販売店に連絡する際は必ず警告灯(赤)の点滅回数を伝えてください。警告灯点滅表はこちら


    積雪が5pに満たないような条件では、雪がまとまって遠くに飛ばない傾向にあります。このようなときは、前後進速度調整レバーを高速にし、多くの雪を集めると飛びやすくなります。


    その他のトラブル

    現象 原因 解決方法

    オーガの高さが調整できない

    高さ調整ケーブルの調整不良

    オーガ調整部分の点検が必要になります。販売店に連絡してください

    高さ調整ダンパーの故障

    クローラーが外れてしまう

    クローラーが緩んでいる

    クローラーの張り点検、調整

    作業灯が点灯しない

    バッテリーがあがっている

    バッテリーの充電または交換

    ヒューズが切れている

    ヒューズの点検、交換

    作業灯のバルブが切れている

    販売店に連絡してください

    エンジンの回転が暗転しない。マフラーから黒煙が出る

    エンジン回転調整レバーがチョークの位置になっている

    エンジン暖機運転後はエンジン回転調節レバーを高速の位置に戻して作業を行ってください


    故障診断表(警告灯点滅回数表)



    警告灯(赤)点滅回数 不具合内容分類 原因 処置
    消灯

    ランプ切れまたはECU故障

    CPU故障

    販売店に連絡してください

    2回

    車速アングルセンサー故障

    車速アングルセンサーの断線または短絡、初期設定不良

    EUC故障

    EEPROMの故障

    4回

    右側ドライバ故障

    ドライバ内部異常

    5回

    右側モーター回転センサー故障

    U・V・W相 信号異常

    6回

    左側ドライバ故障

    ドライバ内部異常

    7回

    左側モーター回転センサー故障

    U・V・W相 信号異常

    8回

    右側ドライバ異常

    ドライバ過熱

    9回

    右側ドライバ異常

    10回

    電源異常

    バッテリ故障、ACG故障、バッテリーターミナルの外れ

    11回

    電磁ブレーキ故障

    断線、短絡、カプラ外れ

    12回

    モーター温度センサー故障

    断線、短絡

    13回

    モーター異常

    モーター過熱

    5分間エンジン停止後再始動

    14回

    同期制御エラー

    ドライバ故障

    販売店に連絡してください

    常時点灯

    エンジンストール時(クランキング時)

    ドライバ故障

    5分後エンジンを再始動しても警告灯(赤)が点滅する場合は販売店に連絡してください。