ホンダhsm1380iの大きさや除雪量を図解で解説!操作方法動画や点検方法、トラブルシューティングも
取り扱いマニュアルに書かれている内容がよくわからない!読むのが面倒!
という方にホンダhsm1380iが最も活躍する除雪場所は?どれだけの雪を除雪できるの?など初心者にはわからないことだらけです。このページではマニュアルに書かれていることをもっと分かりやすく解説いたします。
ホンダhsm1380iのカンタン図解説明
マニュアルには全長1.69m、高さ1.34m、幅80cm、重量240kgって書いてあるけど、実際の大きさってどのくらいなの?
数字で書かれても大きさって想像しにくいですよね。写真や動画から大体想像できるけど240kgもあってキャタピラがついたハイブリッド式の除雪機って聞くとものすごく大きな機械をイメージしちゃいますよね?
hsm1380iを買ったはいいけど、置き場所も心配だし、操作性や除雪パワーも分からないと不安になります。ということで大まかな比較図を作ってみました。
長さは大体、大人用自転車の24〜26インチサイズよりも少し小さいくらいで、高さは除雪機の方が少し高く、幅は自転車約2台分です。
hsm1380iの大きさ比較図
「1時間の最大除雪量83t」って書いていますが、どのくらいの量の雪を除雪できるの?
1時間の作業で83t除雪できると言われても、どのくらいの雪を除雪できるのかイメージ出来ませんよね。「トラック何台分」とか身近な比較対象があれば何となく想像が出来ますし、具体的に想像できなくても「たくさん除雪できる」という事はわかります。
ということで、83tってどのくらいの量なのか25mプールと10tトラック、3tトラックを使って図解したいと思います。ざっくりと1時間の作業でこのくらいの量の雪を除雪できるんだと感じてもらえると思います。
1時間あたりの除雪量83tのイメージ図
左の図は深さ1m、幅17mの25mプールに入る水量を基準に除雪量を表しています。25mプール約2つ分の水量を除雪できます。右の図は単純に83tを10で割って10tトラック何台分という計算で表しています。10tトラックの大きさも図にしました。1時間の除雪作業で最大10tトラック8台と3tトラック1台分の雪を除雪できるなんてスゴイ除雪能力です。
最大投雪飛距離19mのイメージ図
ホンダhsm1380iはブロアから雪を噴射して除雪するタイプです。1時間あたりの最大除雪量は83t、最大投雪距離が19mです。図解上、一般的なマンションの6階相当の飛距離が出ますので、除雪作業の際には事故やトラブルが起きないように周りに注意してください。
ホンダhsm1380i中型除雪機は戸建ての一般家庭には不向きです。コンビニ、駐車場、農家など広い敷地に向いています。町内会や自治体、学校(PTA)などで補助金制度を使って購入するのもおすすめです。
基本情報
ホンダhsm1380i取扱説明書から抜粋 以下の情報は重要な部分だけを抜粋しています。
- 除雪幅:80cm
- 除雪高:58cm
- 最大投雪距離:19m
- 投雪口回転角度:240°
- 投雪口上下角度:110°
- 駆動方式:ハイブリッド式
- 走行:自走式
- 走行変速方式:電動2モーター式無段変速
- 出力:11.8馬力
- 始動方法:セルフスターター(電動)
- オイル容量:1.1L(SAE 5W-30)
- 燃料タンク容量:5.7L
- 使用燃料:自動車用無鉛ガソリン
- 点火プラグ:BPR5ES(NGK)W16EPR-U(DENSO)
- 全長:1.69m
- 全幅:80cm
- 全高:1.34m
- 機体重量:240kg
ホンダ中型ハイブリッド除雪機hsmシリーズの操作方法動画
エンジン始動前の点検
- エンジンの周りや除雪機の下側にガソリン漏れ、オイル漏れがないか
- 燃料計で燃料の量を確認する。少ない場合は補給してください
- エンジンオイルの点検はオイルゲージの上限までオイルがあるか(少ない場合は補給してください)
- エンジンオイルの汚れがひどい場合は交換してください
- バッテリー端子のゆるみや通気口のつまりがないか確認してください
- バッテリーの点検と補充(バッテリー液の液面が「UPPER LEVEL」にあるか確認してください。液面が「LOWER LEVEL」に近い場合はバッテリー液を補充してください)
- オーガ、ブロアロックボルトのゆるみ、折れがないか確認する(ロックボルトは、石の噛み込みなど異常な負荷が掛かった時に、本体の損傷を防ぐために折れる仕組みになっています)
- 各ケーブルやボルトが緩んでないか(ゆるみやガタがないか)
- エンジン始動後に点灯、点滅し続ける警告灯はないか
- 各スイッチ、レバーが正常に動作するか
作業前・除雪時期初め、終わりの点検
点検項目 | 作業前点検 | 除雪時期初め | 除雪時期終わり |
---|---|---|---|
エンジンオイル | 点検・補給 | 交換 | - |
バッテリー液 | 点検 | 比重点検 | - |
モーター減速機オイル | - | 点検 | - |
オーガトランスミッションオイル | 2年毎に交換する | ||
点火プラグ | - | 点検・調整 | - |
ソリ・スクレーパー | 点検・調整 | 点検・調整 | - |
クローラー | - | 点検・調整 | - |
オーガ、ブロアロックボルト | 点検 | - | - |
各部締め付け部 | 点検 | - | - |
燃料ろ過カップ | - | - | 清掃 |
燃料タンク、キャブレターの燃料 | - | - | 燃料を抜く |
格納時各部防錆、給油 | - | - | 給油 |
シューターケーブル | - | 点検・調整 | - |
オーガベルト | - | 点検・調整 | - |
ACGベルト | - | 点検・調整 | - |
アイドル回転 | - | 点検・調整 | - |
吸入、排気弁すき間 | - | 点検・調整 | - |
燃料室 | 1,000時間運転毎に清掃する | ||
燃料チューブ | 4年毎に交換する |
トラブルシューティング
エンジンがかからない
現象 | 原因 | 解決方法 |
---|---|---|
キャブレターに燃料がこない |
ガソリンが不足している |
ガソリンを補給する |
燃料コックが開いていない |
燃料コックレバーを「出」の位置にする |
|
燃料フィルターの詰まり |
販売店に連絡してください |
|
燃料配管の凍結 |
||
キャブレターに燃料はくる |
キャブレターのオーバーフロー |
|
キャブレターの詰まり |
||
ガソリンが劣化している |
ガソリンを全部抜いて新しいガソリンに入れ替える |
|
ガソリンに水が混入している |
||
スターターが回らない |
バッテリーがあがっている |
バッテリーの充電または交換 |
ヒューズが切れている |
ヒューズの点検、交換 |
|
バッテリー端子が外れている |
バッテリーの点検 |
|
始動時に走行クラッチレバーまたは除雪クラッチボタンを押している |
安全のため、これらの操作をしている時はスターターが回りません |
|
エンジンオイルが入っていない、または少ない |
エンジンオイルゲージを確認して補給する |
|
スターターは回る |
点火プラグの汚れ |
点火プラグの点検、調整 |
点火プラグキャップの取り付け不良 |
しっかりと点火プラグキャップを差し込む |
|
点火プラグの破損 |
点火プラグの交換 |
|
オートチョークの凍結 |
マニュアルスタートレバーを操作して始動させる |
|
警告灯が点滅している |
販売店に連絡してください |
うまく走行できない
現象 | 原因 | 解決方法 |
---|---|---|
除雪作業中に進みにくい |
オーガロックボルトが折れている |
オーガロックボルトの点検、交換 |
オーガハウジングの高さが適正ではない |
オーガハウジングの高さを調節する |
|
除雪部に雪が付着、堆積(たいせき)している |
堆積(たいせき)した雪を除去する |
|
走行しない |
走行モーターが停止するほどの重負荷作業をしたことでモーターが過熱し、保護機能が作動した |
エンジンのスイッチを切り、少し時間をおいてから再始動する |
走行スピードが遅くなった |
モーター過熱による故障を防ぐため、走行モーターの出力を抑えている |
|
うまく後進できない |
オーガハウジングの高さが「高」になっていない |
オーガハウジングの高を調節する |
走行クラッチレバーを握っても走行しない |
クローラーのホイールピンが外れている |
販売店に連絡してください |
制御表示ランプが点滅または点灯している |
||
旋回しない、または旋回しにくい |
除雪部が雪に埋まっている |
オーガハウジングの高さを「高」にし、速度を低速にしてゆっくりと向きを変えてください |
旋回レバーを握ったとき、旋回したい方向のクローラーが減速または停止していない |
旋回レバーセンサー、走行モーターなどの故障の可能性がありますので、販売店に連絡してください |
|
除雪クラッチボタンを「入」にすると走行スピードが極端に低下する |
負荷入力が無いのに負荷制御されている可能性があります。エンジンスイッチを「停止」位置に戻してエンジンを再始動させてください |
この操作でも状態が改善されずに約6秒後に表示灯が点滅する場合は販売店に連絡してください |
超信地旋回ができない |
前後進速度調節レバーの位置が適切でない |
前後進速度調節レバーを前進側低速域の位置で、旋回レバーを完全に握り込む |
旋回レバーの握りこみ量が小さい |
||
バッテリー走行ができない |
バッテリー走行モードになっていない |
左右の旋回レバーを同時に約3秒間握り続ける操作が必要です |
バッテリー走行終了後、5秒経過し、制御警告灯と制御表示灯が点灯している |
エンジンスイッチを「停止」位置に戻し、もう一度操作を行ってください |
|
バッテリーがあがっている |
バッテリーの充電、交換 |
|
表示灯が点滅または点灯している |
電気系統の故障 |
点灯回数を確認して販売店に連絡してください |
うまく除雪できない
現象 | 原因 | 解決方法 |
---|---|---|
除雪作業中に進みにくい |
オーガロックボルトが折れている |
オーガロックボルトの点検、交換 |
オーガハウジングの高さが適正ではない |
オーガハウジングの高さを調節する |
|
除雪部に雪が付着、堆積(たいせき)している |
除雪部に堆積(たいせき)した雪を除去する |
|
シューターから雪が出ない |
シューターに雪が詰まっている |
雪かき棒を使って詰まっている雪を除去する |
雪が集められない |
オーガに雪が堆積(たいせき)している |
除雪部に堆積(たいせき)した雪を除去する |
ブロアが回転しない |
ブロアロックボルトが折損している |
ブロアロックボルトの点検、交換 |
走行モーターが停止するような重負荷操作をしたために、モーターが過熱して保護機能が動作している |
エンジンスイッチを切り、少し時間をおいて再始動する |
|
除雪クラッチボタンを押してもブロアが回転しない |
スイッチ、電磁クラッチなどの故障が考えられますので、販売店に連絡してください |
|
オーガが回転しない |
オーガロックボルトが折損している |
オーガロックボルトの点検、交換 |
走行モーターが停止するような重負荷作業をしたためにモーターが過熱して保護機能が動作している |
エンジンスイッチを切り、少し時間をおいて再始動する |
|
除雪クラッチボタンを押してもオーガが回転しない |
スイッチ、電磁クラッチなどの故障が考えっれますので、販売店に連絡してください |
|
雪の飛びが悪い |
エンジンの負荷が高い |
走行速度を下げる |
エンジンの回転が低い |
エンジンの回転調節レバーを「高速」にする |
|
ブロアが変形している |
ブロアの交換 |
|
ブロアロックボルトが折損している |
ブロアロックボルトの点検、交換 |
|
オーガロックボルトが折損している |
オーガロックボルトの点検、交換 |
|
投雪口が下向きになっている |
投雪口を上向きに調節する |
|
硬い雪に乗り上げて食い込まない。オーガハウジングから雪が溢れてしまう |
オーガハウジングの高さが適正ではない |
オーガハウジングの高さ調節 |
オーガロックボルトが折損している |
オーガロックボルトの点検、交換 |
|
オーガが摩耗している |
オーガの交換 |
|
ブロアロックボルトが折損している |
ブロアロックボルトの点検、交換 |
|
ソリ、スクレーパーの高さが適正ではない |
ソリ、スクレーパーの調節 |
|
オーガが路面に当たる |
オーガハウジングの高さが適正ではない |
オーガハウジングの高さ調節 |
ソリ、スクレーパーの高さが適正ではない |
ソリ、スクレーパーの調節 |
|
除雪部から異音がする |
オーガ、ブロアの羽根、シャフトなどが変形している |
販売店に連絡してください |
投雪方向が調節できない |
R.ドライバの故障 |
販売店に連絡してください |
モーターの過熱(ブレーカーの作動) |
投雪方向調節スイッチを押したままにせず、しばらく待つ |
|
モーターまたはリレースイッチの故障 |
販売店に連絡してください |
|
オーガハウジングの高さ調節・ローリングが動作しない |
調節スイッチを頻繁に操作している |
しばらく待って再度操作する |
制御表示灯が点滅または点灯する |
電気系統の異常または故障 |
制御表示灯の点滅回数を確認して販売店に連絡してください |
その他のトラブル
現象 | 原因 | 解決方法 |
---|---|---|
オーガハウジングの高さが調整できない |
パワーハイトの過熱 |
使用頻度が高く、過熱すると内部保護機能がはたらきます。しばらく待ってから再度操作してください |
パワーハイトの故障 |
販売店に連絡してください |
|
クローラーが外れてしまう |
クローラーが緩んでいる |
クローラー張りの点検、調整 |
作業灯が点灯しない |
バッテリーがあがっている |
バッテリーの充電または交換 |
ヒューズが切れている |
ヒューズの点検、交換 |
|
作業灯のバルブが切れている |
販売店に連絡してください |
故障診断表(制御表示灯の点灯、点滅回数)
制御警告灯(赤) | 表示灯(橙)の点滅回数 | 不具合内容 | 原因 | 処置 |
---|---|---|---|---|
点灯 | 消灯 | メインECUマイコン故障 |
メインECU内部異常 |
販売店に連絡してください |
2回 | メインECUメモリ故障 |
メインECU内部異常 |
||
3回 |
前後進速度調節レバー信号異常 旋回レバー信号異常 POT電源異常 走行クラッチスイッチ信号異常 オーガスイッチ信号異常 |
前後進速度調節レバーセンサー断線 旋回レバーセンサー断線 EUC内部異常 走行クラッチスイッチの故障 オーガスイッチの故障 |
||
4回 | 右側ドライバ故障 |
右側ドライバ信号異常 右側ドライバCPU故障 |
||
5回 | 右側モーター故障 |
右側モーターの機械的故障 右側モーター/ドライバ故障 右側モーターセンサー断線 |
||
6回 | 左側ドライバ故障 |
左側ドライバ信号異常 左側ドライバCPU故障 |
||
7回 | 左側モーター故障 |
左側モーターの機械的故障 左側モーター/ドライバ故障 左側モーターセンサー断線 |
||
8回 |
電磁ブレーキ異常 オーガクラッチ異常 |
電磁ブレーキ断線・短絡 オーガクラッチ断線・短絡 |
||
10回 | バッテリー電圧の低下(16V以下)※バッテリー警告灯も点滅します |
バッテリーの寿命・交換 |
||
点灯 | 11回 | モーター温度異常 |
過負荷によるモーターの過熱 |
5分間エンジン停止後、再始動する |
12回 | モーター温度検出異常 |
モーターセンサー断線 |
販売店に連絡してください |
|
13回 | スロットルレバーの異常信号 |
スロットルレバーセンサー断線・短絡 |
||
14回 |
EUC間の通信異常 エンジンECUメモリ故障 エンジンECUマイコン故障 |
iガバナからメインECUへの信号異常 iガバナ内部故障 |
除雪時期が終わり、長期使用しない場合は必ず燃料タンク、キャブレターからガソリンを抜いてください。ガソリンを抜かず放置していると、燃料が劣化します。その劣化したガソリンがエンジン始動の時に燃料タンクからガスパイプを通ってキャブレターに入り、エンジン内に噴射されるとエンジンが掛からないことがあります。エンジンの寿命を短くする原因にもなります。また、燃料ろ過カップの清掃も行ってください。
長期使用しない場合はバッテリーのマイナス端子を外しておいてください。バッテリーは自然放電しますので6ヵ月に1度の充電および除雪時期の初めと終わりにバッテリーを外して充電を行ってください。